story 1 ~ 序章

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さすがにこんなに警官が居る場所へ 極道の俺がのこのこ足を向けるわけにはいかない。 踵を返し エレベーターに乗り込む。 ドアが閉まる寸前に小さい手が バンっと挟まり ドアが再度開いた。 「イタタタ。。」 転がるように小さい体が乗り込んでくる。 俺はその姿を確認もせず 閉のボタンを押した。 「・・あ。。あの。すいません。 電話した後 犯人を取り押さえた警官が 署に報告したらいっぱい人来ちゃって。。 なんかあれよあれよと言う間に 気がついたらあんな感じに。。」 すいません。。と きっと頭を下げている。 「あそこにいなくていいんですか。」 見もせず前を向いたまま問う。 「ああ。。これからは俺よりもっと ちゃんとした人達がやってくれるので。。」 「いっぱいいるでしょうね。 ちゃんとした人は。」 俺の当てこすりに 体がまた小さくなる気配がする。 はぁ。と俺は小さくため息をつき 振り返って かなり下にいるその人を見下ろした。 「近くのファミレスでいいですか。」 俺の言葉に矢野は目をくるくる回し コクコクと頷いた。 チンとなって俺たちの乗ったエレベーターは 一階への到着を知らせ スーッとドアが開いた。
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