第1章

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「須川さんっ」 これ以上は無理というギリギリのところまで走って、須川さんに声をかけた。 ハッとして、須川さんはすぐに止まってくれた。 秋だというのに気温が高いみたいで、体全体に汗をかいている。 私は息を整えようと必死なのに、須川さんは息さえ乱れていない。 一体何者? 見た目は運動なんて全然しない感じに見えるのに、実はジムとかに通っているのかな? 「ごめん。ついむきになっていっぱい走っちゃった」 須川さんは真剣な顔つきで頭を深々と下げた。 「ううん、大丈夫。私、最近運動不足だから、ちょうど良かった」 私は息を切らしながら、にっこり微笑んだ。 「それと、今日は急にLINEしてごめん。びっくりしなかった?」 「びっくりしました」 私は正直に答えた。 「そうだよな。でも、返信くれて凄く嬉かった。ありがとう」 少し照れながら、須川さんは微笑んだ。 「はい。少しびっくりしたけど、私も嬉しかったから」 そう言って、にっこりと微笑み返した。 「あの、突然なんだけど、もし良かったら僕と付き合ってくれませんか?」 「え?」 須川さんは頭を掻きながら、真剣なまなざしで私を見た。 「急なことばかりでびっくりしてると思うけど、って実は僕自身もこの急展開にはびっくりしてるんだけど、返事は慌てないからじっくりと考えてみて欲しい」 「分かりました」
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