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「須川さんっ」
これ以上は無理というギリギリのところまで走って、須川さんに声をかけた。
ハッとして、須川さんはすぐに止まってくれた。
秋だというのに気温が高いみたいで、体全体に汗をかいている。
私は息を整えようと必死なのに、須川さんは息さえ乱れていない。
一体何者?
見た目は運動なんて全然しない感じに見えるのに、実はジムとかに通っているのかな?
「ごめん。ついむきになっていっぱい走っちゃった」
須川さんは真剣な顔つきで頭を深々と下げた。
「ううん、大丈夫。私、最近運動不足だから、ちょうど良かった」
私は息を切らしながら、にっこり微笑んだ。
「それと、今日は急にLINEしてごめん。びっくりしなかった?」
「びっくりしました」
私は正直に答えた。
「そうだよな。でも、返信くれて凄く嬉かった。ありがとう」
少し照れながら、須川さんは微笑んだ。
「はい。少しびっくりしたけど、私も嬉しかったから」
そう言って、にっこりと微笑み返した。
「あの、突然なんだけど、もし良かったら僕と付き合ってくれませんか?」
「え?」
須川さんは頭を掻きながら、真剣なまなざしで私を見た。
「急なことばかりでびっくりしてると思うけど、って実は僕自身もこの急展開にはびっくりしてるんだけど、返事は慌てないからじっくりと考えてみて欲しい」
「分かりました」
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