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足りない夢
目を覚ますと、首を吊った男の死体が朝日に照らされていた。知らない男だった。
恐ろしい。
それに非現実的だ。きっと夢だろう。
僕は再び布団に入り、夢が覚めるのを待った。
目覚めると、辺りはまだ暗かった。
夢とは異なる、見慣れた自室の光景を見て、僕は安堵した。
天井から垂らされた縄に首を吊っている男の死体。
胸にナイフを突き刺された、頭の無い裸の女の死体。
腐敗が進み独特な匂いを放っている野良犬の死体。
全部、苦労して手に入れたモノだ。
悪夢から覚めた歓びと実感が湧き上がり、自然と笑みがこぼれた。
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