prologue

1/3
前へ
/17ページ
次へ

prologue

僕には、友達がいない。 かといって恋人もいないし、お金もないし。毎日、部活やバイトや勉強になんとなく明け暮れている日々。 そんな高校2年生。 特別、いじめとかそういうのには遭っていない。ただなんとなくクラスに馴染めない。そんなところ。 弓道部も頑張って稽古しているのだけれどなかなか伸びす。最近はとくに── 好きな人は一応いるにはいるのだけれど、勇気が出ず、喋れず。そんなへタレ。 飲食業でバイトをしているのだけれど、忙しさに体が追いつけず、いつも迷惑をかけてばかり。 そんな毎日。 挙句には自慢だった勉強もダメになってきたし。 もうやめちゃおうかな? この世に価値などないよ。 暗い夜道。周りには誰もいない。ただ他人の住宅からわずかに漏れる日常の明かりに少し照らされ、冷たい風の音を聞くだけ。
/17ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加