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早希こと、藤原 早希(ふじわら さき)は中学からの私の親友。
一緒に必死に勉強して、この高校に入った。
早希は別にこの学校に思い入れはなかったのだけど、私がどうしても、ずっと片思いしている吉野君が希望していた、この学校に入りたいと言ったから、一緒に受けたのだった。
だから早希は、私が今も吉野君のことを好きだと知っている、それなのに、気持ちを伝えてきた。
「私の気持ちを知っていてくれるだけでいいの。あとは…ちょっとだけ、たまにでいいから、手を繋いだり、髪に触らせて欲しいな」
どこか恥ずかしがる表情や、声、その姿は、いつもの勝気な早希からは、全く想像出来ないものだった。
私は
仲のいい女同士なら、それくらいしている子も沢山いるよね。
なんて、軽い気持ちで
「早希のこと、恋愛対象として見れないけど、それくらいならいいよ」
と、返してしまった。
それが後々、あんなことになるとは知らずに…。
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