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吉野君、吉野 至(よしの いたる)君は小学校の時からの腐れ縁で、私は初めてあった時からずっと、彼のことが好きだった。
吉野君は格好いいというよりは、どこかかわいい感じのする男子で、勉強も出来て、優しくて、私の他にも、彼のことが好きだという女子はかなりいた。
早希には言っていないけど、実は私は吉野君に、3日前に告白している。
立ち入り禁止の屋上への入口の前、人気のない、絶好の告白場所。
私は彼をそこへ呼び出して
「ずっと好きでした!付き合って下さい」
と、勇気を振り絞って告白した。
結果は
「ごめん、俺、付き合ってる人いるから」
そう、吉野君には、もう彼女がいたのだった。
「あの、それはこの学校の人?私も知っている人?」
自分でも驚いた。そんなことを聞いてどうするのか?そう分かっているのに、どうしても聞かずにはいられなかった。
そう、どうしても知りたかった。
吉野君が選んだ人がどんな人なのかを。
「…萩野なら、誰にも言わないと信用して教えるけど、3年の桜川先輩」
それは雷に打たれたような衝撃で、
奈落の底に突き落とされたかのような絶望で。
3年の桜川 夜人(さくらがわ よひと)
そう、
私の好きな人の恋人は
男性だった…
男同士の恋愛だったんだ…
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