時がたつほどに

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  数日たった朝フロアに着くと、何やら物々しい雰囲気だ。  「どうしたの?」紗也華に尋ねると、  「グループ長と、立川君が仕事のことで言い合いになって、少ししたら立川君、気を失っちゃったの。それで今救急車呼んでる…」 私は、意外だった。彼は元々運動部出身で相当体力に自信があると言っていたから。 グループ長が横になった立川君に寄り添い心配そうにみている。 「立川君、大丈夫?」私が駆け寄ると、目を閉じたまま何度か小さくうなずいた。 顔色がひどく悪い。笑顔を作ろうとしているので思わず手を握った。  と、私は彼から離れた。馴れ馴れしくしすぎ・・。自分から目立つようにするなんて。 ほどなくして救急車が来て運ばれていった。
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