愛してる!愛してる!愛してる?それともこれは同情?

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  「山口さん、ちょっと来て。」私は、その日室長室に呼ばれた。  ここは、夕日がよく入る。ガラス張りの窓から夕日に照らされた海のなんと美しいことか・・。 デスクには、室長の横に哲也が座っていた。 何故哲也? 私は緊張して勧められた椅子に座った。  室長が切り出した。「これから山口さんは、立川君のグループに加わり一緒に仕事をしてもらう。君の仕事も一段落したこともあるし彼の頼みでもある。気が置けない同期だとね。確かに君はお子さんが小さいから残業など十分に働けない状況だと思うので、二人で1仕事を完遂してもらうよ。」 哲也がすかさず言った。 「よろしくお願いします。これから互いに協力しながら職務を全うしたいと思います。あ、あと私は病気です。あまり詳しくは話せないのですが、九州にいた際発病しました。東京にいい病院があると知って異動願を出して・・」  その後のことはあまり覚えていない。とにかく、承知しましたとだけは言って、 2人が安堵したのは覚えている。  私はその後、呆然としたまま、哲也が一緒に帰ろうと言うのを断りカスミのお迎えに行き、夕飯を作り、お風呂に入れ寝床に入って我に返った・・。  隣ではカスミが小さく寄り添い、安心して寝息をたてている。いつも寂しい思いをさせてごめんね・・。母である私が少し頭をもたげる。そして哲也のことを考える。 ・・・とにかく、彼は病気で、それが元で東京に異動願を出した・・。  要するに私に会いたいというよりむしろ、病気を治すために異動願を出した。 そりゃそうだ、だって、異動願出してまで会いたい程、私魅力ないもん。  
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