時がたつほどに

1/6

51人が本棚に入れています
本棚に追加
/23ページ

時がたつほどに

 数週間ほどしたある日、私は哲也を帰り廊下の隅に呼んで言った。 「頼むから、私にあまり話しかけないでくれる?哲也目立つよ。  だいたい、知っていると思うけど私結婚して子持ちだよ!」 「しーっ」いきなり、私の目の前で1本指をたてて言った。 そしてニコッと笑顔を作り背の高い哲也は私にかぶさるようにして小声で言った。 「僕も結婚してる。だから?僕は入社式の日、君を見つけた時から君が好きだった。 結婚してからもね。今回の異動も、何度も異動願を出した末に受理された。君に会いたい為。」  そういうと、くるっと背を向け、廊下を歩いて行ってしまった。
/23ページ

最初のコメントを投稿しよう!

51人が本棚に入れています
本棚に追加