第1章 異世界交換留学編

21/21
20人が本棚に入れています
本棚に追加
/117ページ
 こいつ、俺の心を読み始めやがった。 「そんな必死になられても……それより支払いは今そのIDカードに送られて来ますので、指で承認して下さい」  カードを見ると、注文した商品と会計が表示されている。その横の承認と書いてあるところを、指で触ってみた。すると支払い完了の文字が表示された。 「これでいいのか? それよりこれ、エディのIDカードだろ? 誰でも使えるなんて、セキュリティガバガバじゃねぇかよ。大丈夫なのかこの世界……」 「IDカードと魔法手帳はリンクしてます。魔法手帳の所有者しか使えませんよぉ」 「そうか、それなら安心だな……ってエディの奴全財産くれたのかよ」  何だか申し訳ないな、あまり無駄遣いはしないでおこう。  しばらくすると、ベランダから音がした。ガラス戸を開けるとピザとコーラが2本置いてあった。これが……異世界の宅配ピザか。  思い描いていた世界とはかけ離れている……期待するのはもうやめよう。  一矢はダイニングテーブルにピザとコーラ置いてケッツを呼んだ。 「おい、ピザ届いてるぞ。早く来ないと全部食べちゃうからな」  腹いせにケッツのコーラを振りながら、一矢はピザを一切れ口に運んだ。 「異世界のピザ超うめぇ!!」 「あーもう、先に食べないで下さいよぉ! 後あたしのコーラ振らないで下さい!」 「異世界ピザ最高だー!」  色々期待を裏切られたけど、まぁいっか……ピザうまいし。 image=511575210.jpg
/117ページ

最初のコメントを投稿しよう!