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「そういえば、学校行ったらみんなお前みたいなコンシェルジュ使ってんの?」
「いえ、皆さんコンシェルジュは使っていませんよぉ。エディ様が特別なんです」
ふーん……エディってドMなの? いらなくねこいつ。
「まぁいいや、そろそろ行くぞ。ナビよろしくなケッツ」
一矢は昨日の夜、家中探して集めたエディの学校の教科書と、自慢のグリモワールを鞄に入れた。
「旦那様、その小汚くて大きい本は何ですか? 学校では使わなそうですけど」
「こ、これは…………日記だ……決して覗いてはいけないよ? 深淵を覗く時、深淵もまたこちらを覗いているのだ……」
こいつにだけはバレてはならない……これだけは見られてはいけないのだ。もし見られたら、こいつにどれだけ小馬鹿にされる事か。想像しただけでイライラする……2点。
「何言ってるのかわかりませんけどぉ。見るなと言われたら見たくなるのは、心理ですよねぇ? ふふふ」
ここでもう一度見るなと釘を刺したら、フリと捉えられてしまうだろう……これ以上下手な事は言わない方がよさそうだな。
「つべこべ言ってないで行くぞ」
一矢は玄関で靴を履いた。ケッツは納得いかない様子で、昨日と同じナビゲーションする魔法を使い魔法手帳に引っ込んだ。
「てかよ、魔法手帳から出て来れるならずっと出てればいいじゃん?」
「10分程度で魔力切れしますよぉ。魔力が切れたら、充電するまでスリープモードになりますがいいですか?」
「いや、いいや。魔法手帳でゆっくりしててくれ」
一矢は地図を頼りに学校へと向かった。
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