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(ダメ……ダメ……!)
思い出してはダメだ!
そんなことをしたらもうこの家にいられない。
それでも今までせき止めていた知識と記憶が走馬灯のようによみがえる。
綾瀬の家のこと。
《カミサマ》と呼ばれている三人のアヤカシが住んでいて、その姿を視ることができるのは、一人に一妖。
そしてつばさはその『長女』と約束をしたのだ。
マッテイル。
どうして待っていてくれているのだろう。
あの時、綾瀬の家を出なければ、こんな苦しい気持ちにはならなかったのに。
けれど、この家にこなければ今の吾妻つばさは存在しなかった。
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