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翌日。
平日ではあったが善は急げと父と綾瀬の家に行く。
しばらく引きこもって学校には行っていなかったので、平日の外出にそれほど父も渋い顔をしなかった。
自宅から車で小一時間の長い道のり。
昔、赤い糸を辿って運命のひとに会おうとした記憶があったが、子供の足では到底たどり着けない距離だったのだと改めて思った。
全く知らない家を訪れるのは正直緊張する。
父は昔この家に世話になっていたせいか、なれた足取りで門をくぐりぬける。
そこはまるで別世界のように静かだった。
手入れされた庭園が眼前に広がる。
緑色に染められた世界の中で、所々陽の当たらない場所には煤けたシミやヨゴレが目立った。それらは少しずつではあったが、着実にケガレを増殖していっている。
綺麗だろ、そう言った父にはこの庭がどう見えているのだろう。
石畳で整備された通路を歩いていくと、大きな屋敷が見えてきた。
その両端にも家屋が存在している。
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