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柊護が来るまでは眠れない夜がほとんどだった。
なにぶん油断していると、悪いモノがどんどん増殖して部屋を侵食してくる。
黒犬が喰い殺し排除してくれているが数が多すぎるのだ。
よく眠れますように、などと小学生か中学生のような、お手て繋いで眠るなど朱葉にとってはむず痒いことこの上ない。
(本当はもっと手っ取り早く生気を吸収したいんだけどな)
呪いを解くにも術を使うにもエネルギーがいる。一人で生活してる分にはあまり支障がないが、そうもいかない。
無理矢理に一緒に寝ることを促したのもそういった理由がある。
皮膚接触でも生気は補えるが時間がかかりすぎる。
桔梗の呪いを解くにもそのせいで時間がかかってしまった。
生気を効率よく吸収するには粘膜接触が一番なのだ。
それによる高揚感が何よりの薬なのだから。
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