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「悪魔ノ世界デハ、ドンナ者ニモ仕事ガ与エラレ、解雇サレルコトモナイ」
「でも、俺には・・・」
「オ前ヲ心配スル人ガイルト思ウノカ?」
「・・・」
照樹は両親を知らない。今はどこで何をしてるのかなんてわからない。唯一の親代わりだった祖母も去年なくなってしまった。そう考えると、心配する人なんていない。だったら、行ってもいいんじゃないかと思ってしまう。
「別ニ今日決メナクテモヨイ。一週間後ココデマッテル」
と言って、暗闇の中に消えてしまった。
「な・・・何だったんだ?」
橋の下を見るが、やはり何もいない。
「悪魔の世界に転職・・・か」
悪魔の世界に興味はあったが、今は今のことで精一杯だった。
「やっぱ、俺にはこの世界は向いてないのかな」
家に帰り、ドアを開けるといつもの空気が流れて来る。食品を電子レンジで温める。最初は味に困った冷凍食品を、今では当たり前のように食べている。相変わらずおいしいとは言えない味だが、何かいつも通りの感じが出てほっとする。そういう時に限って出てくるのは、思い出したくもない嫌な記憶だ。
-事務の部署だけ切り離されることになったから、頑張ってね~-
何も思い出したくないので、寝ようとするが、静寂がより一層嫌な思い出を強くする。
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