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記憶1 悪魔の囁き
今現在、AIはとても発展している。しかし、AIの発展に伴い、人の仕事が減少している。
「あ~!なんでAIなんかできたんだよ」
この男、那加瀞 照樹は、国内最高峰の大学を卒業し、超一流企業に就職したが、入社2年目の今年、高性能事務処理AI『GIM』が導入されたことによって、照樹は、大半の社員(主に事務)と一緒に解雇されてしまったのである。
「この時代、情報処理の能力が高いだけで生きていけないってことか・・・」
解雇されてからしばらく経つが、まだ新しい就職先を見つけられていない。超一流企業に2年しか在籍しなかったという傷が、経歴書に残っているためだろう。社員の大半が解雇された後、訴訟も起こったみたいだが、敗訴となり、もう再審を起こすものは誰もいない。ニュースでは取り上げられたものの、すぐにほかの話題に飛びついてしまう。
「ほんと、世の中薄情なもんだよ。こんなことならいっそ身を投げて・・・」
「仕事ガ欲シイナラ与エテヤロウ」
「誰だ!?」
後ろを振り向くが誰もいない。再び前を向くと、そこには黒い人の形をしたものが浮いていた。
「な・・・なんだ?」
「転職シナイカ?」
「え?」
「転職シナイカ?」
「転職って・・・」
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