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はるの怖いほど真剣な瞳と視線がぶつかる。
私の唇は、歯と歯がガタガタとぶつかる音がするくらい震えていた。
「やめて……」
私から出た叫びは、やっぱりとても小さなもの。
ゆりや宗ちゃんには、届きそうもない。
「はる……」
“お願いやめて”と身体をよじると、はるは私の身体に体重をかけ動けなくした。
私から“うっ”と鈍い声が漏れる。
「なつき、好きだ」
突然の告白。
普通の状態なら、胸が少しはときめいただろうか。
しかし今は恐怖しかなく、首を小さく左右に振ることしかできない。
「好きだ」
はるからの二度目の告白。
その後、すぐだった。
先ほどの痛みを上回る、まるで熱い熱い刃物を突き刺されたような痛みが下腹部を襲った。
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