囚われのプロポーズ

6/40
前へ
/40ページ
次へ
「いいよーね?なつき」 「いーよ」 はるも同じ歳のサークル仲間。はるは宗ちゃんの親友であることから、四人で集まることもあるので、ゆりに続き迷いもせず了承した。 宗ちゃんは「いーってさ。待ってるよ」と言うと、電話を切った。 「すぐ来るってさ」 「そうなんだ、お酒もっといるかな?」 「僕が買ってくるよ」 「ありがとう宗太郎」 「うん、お菓子は?いる?」 「うん、しびれる系が食べたいかも」 「了解。なつきちゃんは?」 「うーん、チョコ?」 宗ちゃんは「ははっまたか、了解」と笑うと“いってきます”と出ていった。 宗ちゃんはマメだ。 優しくて気の回る彼はそこそこモテる。 それなのに彼女を作ろうともせず、私たちと遊んでばかりいるから、時折不思議に思うことがある。 「なつきはよく甘いお酒に甘いものをおつまみにできるね?」 「そんなに合わないかなぁ……」 「合わないよ。全然わかんない」 「ゆりだって辛党すぎじゃない?」 「否定できない」 二人で“ぷっ”と吹き出した時、“おじゃまー”とはるがやってきた。 私もゆりも“早っ”と驚かないのは、はるの家がここから徒歩三分内の距離にあるから。 ちなみにはるも一人暮らしである。 私たちは“いらっしゃーい”とはるを迎えた。
/40ページ

最初のコメントを投稿しよう!

165人が本棚に入れています
本棚に追加