65人が本棚に入れています
本棚に追加
咲良さんは私を目に入れると「え、なっちゃん?可愛い……」と瞳を輝かせた。
咲良さんの視線は私のドレスに集中していた。
「ありがとうございます……」
照れてドレスの裾を掴んでしまう。
三上さんのセンスは抜群のようだ。
掴むドレスの質感だって抜群だ。
ドレスに合わせて買ってもらった靴もアクセも上品で可愛らしいものばかりだった。
「珍しいね、なっちゃんが色物着てるの。ピンク似合う」
「ねぇ?
三上が買ってあげたんだってさ」
山谷さんがばらしてしまうのが気にくわなかったよう。
三上さんが山谷さんをギロリと睨んだ。
「本当でしょう?」
それでも三上さんは睨むのをやめないので、山谷さんが両手を上げまるで“降参”というように口を閉じた。
すると、この場を助けるように「三上君」と私と三上さんの間に男性が立ち、割った。
最初のコメントを投稿しよう!