君への確かな想い

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「三上に見つめられると、男の俺でもちょっとこの辺りが疼くんだけど」 冗談に笑い胸の辺りを押さえる原口につられ笑うも、ため息をもう一つ吐いた。 同じ台詞をなつきが言ったならどんなにいいだろう。 だが、彼女からは絶対に聞けない台詞だ。 「可愛い子なの?」 なつきの顔が頭に浮かぶ。 「可愛いよ」 即答だった。 「へぇ、見てみたい。見に行こうかな」 本当に来そうな言い方で、眉を不機嫌に寄せると原口は「冗談」と笑った。 「そんなに可愛いんなら彼氏に他の男との接触を禁止されてるんじゃないのか? だから彼氏の前で男といるときも様子が変に映るとか……」 「……なるほど」 「それか、過去の彼氏にトラウマがあるとか、父親と確執があるとか、色々考えられそうだけど……」 原口はタブレットに“男嫌い”と入れ検索を始めた。 俺だって何度も不思議に思っては調べた。 だが、どれに当てはまるのかわからずにおり、結局理由がわかったのは昨日のことだった。
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