君への確かな想い

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皆に聞かれてはいけない。 山谷の腕を引き、自分の仕事部屋へ誘い扉をしっかりと閉めた。 「なっちゃんはどんな感じ?」 花尾のようなことを尋ねるので、顔をしかめてしまう。 けれど、なつきから見送ってもらったことを思い出すと頬が緩みそうになった。 “いってらっしゃい” なつきのはにかむ顔が頭に浮かぶ。 もし彼女が恋人になったら、毎日あの顔が見られるのだ。 さらに緩みそうになる頬を引き締める。 「朝は元気そうだった」 なるべく淡々と答えたものの、山谷はニヤニヤと顔をだらしなくした。 「ふーん」 「……なんだよ」 「いや、よかったなぁと思って。 誘ってよかったね」 「……まぁな」 パーティに誘ってなければ、今日がない。 彼女と近付けたのは勇気を出した自分がいたから。 彼女は普段から隙がない。 そのうえまったくプライベートでは縁がなかった。 そんななつきと接点を作りたくてパーティに誘ったが、それはとても勇気がいることだった。 冷静を装ったものの、内心は緊張で溢れていた。
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