君への確かな想い

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「せっかくだったら“俺の家に来い”って言えばよかったのに」 「それは無理だ」 まったく考えなかったといえば嘘になる。 だが、男性嫌いの彼女にそう言って嫌われたくなかった。 恋人からの乱暴は、なつきにとって突然で全く想定外であったのだ。 残酷な乱暴によって、大切な身体が侵入され連続性に深刻な断絶が起きているというのに、俺を簡単に受け入れられるわけがない。 引っ越し業者を探したのは山谷だった。 なるべく早急に、と頼んだためになつきの事情を話したが、それは大雑把にだ。 さすがに恋人に乱暴されたとは言えない。 「三上ってモテるくせに不器用だよね?」 「……色々考えがあるんだよ」 なかなか予約のとれない綺麗な夜景の見えるレストランで、美味しい食事を食べさせ気持ちを伝える。 そんな王道的なやり方で簡単に手に入れられる相手ではない。 それでもなつきに対して、不器用と言われてもいいから、慎重に事を進めたいところである。
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