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家に戻るのは少し怖かった。
はるが待ち伏せていそうな気がしたからだ。
だがはるはおらず、一日振りの部屋に入る。
三上さんは外で待っていると言ったけれど、私は「三上さんもどうぞ」と、中へ入れた。
思うとすごいことだ。
部屋にはる以外の男性をあげるなんて。
通帳、財布、スマホ、と貴重品を鞄に入れ、触れられたくない下着類や細々したメイク道具のみをキャリーバッグへ入れたところで、時間より少し早めに引っ越し業者がやってきた。
引っ越し業者は男性ばかり。
「こんにちは!」
大きく太い声。
そして、大きくがたいのよい身体。
恐怖を感じたもののすぐ、三上さんが私の前に立った。
自然に手が彼のシャツを掴んでいた。
私の代わりに引っ越し業者の受け答えをしてくれる三上さんが頼もしい。
彼の背の後ろが安心する。
私はどうしてしまったのだろう。
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