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三上さんと二人きりになると、急に恐怖を思い出した。
皆の前ではしっかりしなけばと保たせていた自分がいたからだ。
ヤバイ、泣きそう……。
俯くと、彼がハンカチを差し出してきた。
私のことをわかりすぎだ。
余計泣ける。
「すみません……」
ハンカチを取り、瞳に当てると三上さんは私の頭を一撫でした。
それから「……藤下」と呼び、「あいつはこれを持ってきた」と言って、小振りの紙を見せた。
「……え」
それには私とはるの写真。
そして、“結婚します”の文字が書かれており、下部には私とはるがよく使うイタリアンの店の名前が載っていた。
そこは二次会などでよく使われる店だ。
「婚前パーティの招待状だそうだ」
「……へ、婚前、パーティ……?」
こんなもの作った記憶はない。
はるの思考が読め、背中に冷たい汗が流れた。
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