すべてのはじまり

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ずっしりとした心の重りがとれたよう。 それでもひどく身体が震えている。 その背を三上さんが撫でた。 とても体重をかける余裕はないけれど、少し安心する。 一人じゃない。 「突然、どうしたんだよ……」 「……」 はるからすると、突然。 でも、私はずっとどこかで続けられないと思っていた。 「冗談だろ?」 「……ううん」 「本気ってこと?」 「うん」 はるがギロリと私を睨む。 怖い瞳。 身体が硬直する。 「……失敗だったな」 「……え」 「こんなことなら、何がなんでも俺と同じ会社で働かせておくんだった」 就活の時のはるは私を巻き込もうとしていたけれど、彼の言う通りに動いていなくてよかった。 あの時彼に流されていたら私はきっともう離れられなかったに違いない。 「だから早く辞めさせたかったのに」 それを思うと、怖くなった。 大きなため息を吐いたはるは、三上さんに視線を向けた。
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