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「なつきに何を吹き込んだんですか?」
すごい嫌な台詞だ。
「は、はる……!三上さんは何も……」
焦る。
「俺たち上手くいってたのに、突然別れるとか……あんたなつきに何をした?」
殺意すら込められているような瞳に恐怖を感じた。
はると三上さんを交互に見つめる。
ただ、三上さんの表情は変わらない。
「私は何もしていませんよ。あなたと別れたい意思は彼女自身のものです」
するとはるは“はっ”と笑い声を出し「嘘つけ、なつき一人で俺に反抗できたはずがない」と言った。
でも顔はまったく笑っていない。
「はる、やめて……」
「なつきはこいつのとこにいるのか?」
「こ、こいつって……」
先ほどから失礼すぎる。
これは私事だ。三上さんへの無礼にハラハラした。
「なつきは俺としか付き合えなかったんじゃないの?」
「……」
いやらしい笑み。
だけど、私は顔を大きく横に振った。
もう、その手には乗らない。
「突然連絡がとれなくなって、家にもいないからすげー探したよ」
それは申し訳なかったかもしれない。
順序よく切り出せなかった私も悪い。何も言えなかった。
「はぁ、俺バカみてーじゃん。こっちが必死になってる間、こいつに丸め込まれてるとか……」
「はる……」
はるは眉間を押さえ、首を横に振る。
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