すべてのはじまり

20/40
前へ
/40ページ
次へ
そして、三上さんの告白にはるはより怒りを見せた。 「は?ふざけんな、なつきは俺の彼女だぞ。勝手に好きになるなよ。好きとか許さない」 「俺のって……彼女はものじゃない。お前が好きにできる権利はないんだよ。 許すとか許さないとか、彼女の意思をまるで無視して、一方的な愛情しか注いでないじゃないか。 俺ならもっと大切にするよ」 「何をわかったようなことを……。 もういい」 はるはそう言うと、突然立ち上がり私の横に来ると、手を掴んだ。 力が抜けていたので、簡単に捕まってしまう。 「行くぞ、なつき」 強い力。 力強いはるイコール、恐怖の記憶。 「やめて……」 「やめてじゃない。立てよ」 さらに強く引っ張られる。 負ける。 そう思った時、手が離れ、はるが「痛っ……」と身体をよじった。 「暴力はよくない」 三上さんがはるの肩と腕を掴み、手首をひねることで手が離れたのだ。 咄嗟に三上さんの後ろに隠れる。
/40ページ

最初のコメントを投稿しよう!

64人が本棚に入れています
本棚に追加