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そして、三上さんの告白にはるはより怒りを見せた。
「は?ふざけんな、なつきは俺の彼女だぞ。勝手に好きになるなよ。好きとか許さない」
「俺のって……彼女はものじゃない。お前が好きにできる権利はないんだよ。
許すとか許さないとか、彼女の意思をまるで無視して、一方的な愛情しか注いでないじゃないか。
俺ならもっと大切にするよ」
「何をわかったようなことを……。
もういい」
はるはそう言うと、突然立ち上がり私の横に来ると、手を掴んだ。
力が抜けていたので、簡単に捕まってしまう。
「行くぞ、なつき」
強い力。
力強いはるイコール、恐怖の記憶。
「やめて……」
「やめてじゃない。立てよ」
さらに強く引っ張られる。
負ける。
そう思った時、手が離れ、はるが「痛っ……」と身体をよじった。
「暴力はよくない」
三上さんがはるの肩と腕を掴み、手首をひねることで手が離れたのだ。
咄嗟に三上さんの後ろに隠れる。
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