すべてのはじまり

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よくないことを言われる。 それが伝わった。 「はい」 「実はな、アクアレーアと仕事をすることになったんだ」 ハッとした。 そして、ゾッとし拳に力を入れた。 なぜなら“アクアレーア”ははるの勤めている化粧品会社だからだ。 “なぜ?” 時代ものの“時代矢”とはまったく別の分野の職種である。 まるで結び付かない。 「アクアレーアが今度新しく男性用の化粧品を販売するらしいんだ」 最近では男性も化粧をすると聞く。できても不思議でない。 「その化粧品のデザインを依頼されたんだ。 高橋さんがアクアレーアのマーケ部の部長と知り合いで、うちを紹介してくれたんだ」 何ということだろう。 アクアレーアは大手である。 喜ばしいことだが、喜べない私がいる。
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