確かな恋心

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はるは今回、プライベートではなく仕事で来たため、三上さんが戻ってきてすぐ私は、はるが来たことを彼に伝えた。 三上さんは途端にクールな表情を心配でいっぱいにして、仕事中だというのに私の手を引き、仕事部屋に連れてきた。 「大丈夫だったか?何もされてないか?」 顔を覗かれ、胸がどうしてかギュッと縮まった。 「はい……」 「……そうか、不在にしてすまない」 三上さんは少しも悪くない。 私のせいで悩ませて心が痛くなる。 「ただ、希子さんと三人で隣で食事をすることになって……食事をしました」 三上さんは“何だって?”という感じに目を見開く。 「あの、食事をしただけで、何もなかったんですよ……」 「花尾が言い出したことだろ?」 三上さんには言わなくても伝わったみたい。 希子さんのイメージは三上さんの中でどんな感じなのだろう。 「えぇ」 私が苦笑いすると「そんなことだろうと……」と彼はため息を吐く。 「何もないならよかったが……」 三上さんがもう一度心配のため息を吐いた。
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