確かな恋心

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「あの、はるは今回の担当者なのですか……?」 「まぁ、直接というわけではないが、彼とまったく絡まないということはないよ」 知らなかった。 きっと、三上さんは私を思い黙っていたのだ。 はるの伯父はアクアレーアの取締役だ。 はる自身も意外と強い位置にいるのかもしれない。 もしかすると、三上さん、そして“時代矢”に何かするつもりなのかも……。 “明日、仕事後、ユーカリで待ってる。 何時まででも待ってるから” “ユーカリ”とは、はるが勝手に婚前パーティを開こうとした、はるのお気に入りの店。 頭の中にはるからの誘いの手紙が過る。 「無事でよかったよ」 三上さんが優しい顔を向ける。 もし、はるが三上さんに何かしたら……。 私が三上さんの笑顔を奪ってしまったら、きっともっと自分を嫌いになる。
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