65人が本棚に入れています
本棚に追加
「あの、はるは今回の担当者なのですか……?」
「まぁ、直接というわけではないが、彼とまったく絡まないということはないよ」
知らなかった。
きっと、三上さんは私を思い黙っていたのだ。
はるの伯父はアクアレーアの取締役だ。
はる自身も意外と強い位置にいるのかもしれない。
もしかすると、三上さん、そして“時代矢”に何かするつもりなのかも……。
“明日、仕事後、ユーカリで待ってる。
何時まででも待ってるから”
“ユーカリ”とは、はるが勝手に婚前パーティを開こうとした、はるのお気に入りの店。
頭の中にはるからの誘いの手紙が過る。
「無事でよかったよ」
三上さんが優しい顔を向ける。
もし、はるが三上さんに何かしたら……。
私が三上さんの笑顔を奪ってしまったら、きっともっと自分を嫌いになる。
最初のコメントを投稿しよう!