確かな恋心

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アクアレーアの話を三上さんに聞いてから二週間後、改めて社内で報告があった。 はるがアクアレーアの社員ということを知らない人はいない。 けれど、皆大人だ。 元カレであるはるのことを掘り下げる人はいない。 といっても、興味を隠しきれていない人は、一人……いるけれど直接口にはしてこなかった。 そして、それからひと月ほど経った三上さんも山谷さんもいない午後0時に差し掛かる少し前だった。 三上さんと咲良さんはアクアレーアへ、山谷さんは別件で外出していた。 「なっちゃん、今日お弁当?」 「いえ」 「じゃあランチ、どう?」 週の半分は弁当を持参している私だが、そうでない時は市販の弁当やパンを食べたり、希子さんらとランチに出掛ける。 今日は持参してきていなかったので、希子さんのランチの誘いに頷きかけた時だった。 「あの、すみません」 自動扉が開いた後、よく知る声が私の耳に入ってきた。
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