確かな恋心

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はると希子さん、そして私。 とても奇妙な感じがするが、三人で円卓を囲んでいる。    「二人はどれくらい会ってなかったの?」 注文を終えると、希子さんの質問が始まった。 「半年くらいですね」 「そうなんだぁ、学生時代からの付き合いだから、かなり長く付き合ってたよね? 寂しく思わなかった?」 私ははるより早く首を縦に振った。 「うわっ、なっちゃんはっきりだねー」 だって、本当だ。 どこか清々しくもあったほど。 「いいんですよ」 はるは苦笑いだ。 私ははると視線がぶつからぬよう、烏龍茶を口にする。 「俺は寂しかったんですけどね」 「わぉ、だってよ」 希子さんは私の腕を軽くバシリと叩いた。 そんなの聞きたくもない。 無視を決め込み、希子さんのグラスに烏龍茶を注ぐ。 「はるくん、新しい恋はしてないの?」 「えぇ、俺モテないんで」 ははっと笑ったはるは「なつきは?」と尋ねた。 小さく顔を上げると、口元には笑みを浮かべたはるの姿が目に入る。 けれど、瞳は笑っていない。
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