ファーストキスの味-2

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「どうした?」 「三上さん、私……」 ーー私は何がしたいのだろう。 三上さんのやや切れ長の瞳は少し驚き混じりではあるが、まっすぐに私を見つめる。 くらりとするようなときめきを覚えると同時に、自分の行動に戸惑う。 私から求めている。 「……そんな顔を見せれたらさすがに俺も……ヤバイ」 そう言って彼は、私を彼に優しく抱き寄せた。 ヤバくなってもいい。 さすがにそれは口にできなかったけれど私から「三上さん」と頼りない声が漏れる。 ひっついた身体の隙間から彼を見上げた。 三上さんと視線がぶつかる。 彼の瞳は色を含んでいる。 「嫌なら、思いきり押して」 何をされるかわかる。 はると長く付き合っていたのだ。 キスをしかけられるタイミングはわかるつもりだ。 想像していた通り、キスが落ちた。 唇を重ねるだけのキス。 まったく、いやらしさを感じないもの。 それだけのキスに胸の奥が強く締め付けられる。 このときめきを胸の深いところに閉じ込めたい。 こんな思いは初めてだ。
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