ファーストキスの味-2

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はるとは数えられないくらいキスをしてきた。 それでもこんなときめきは、少しも覚えなかった。 もっとディープなものもたくさんしたのに……。 私にとってはるとのキスは恋人同士の演出のように感じていて、正直早く終わってくれないだろうか、とさえ思っていた。 欲望をぎらつかせて迫ってくるはるが、苦手だった。 はるは隠していたかもしれないけれど、私にはしっかり伝わっていた。 それなのに、三上さんとのキスは真逆だ。 スマートで、優しい。 「大丈夫か?」 三上さんが私を覗く。 キスとは一方的なものではないのだと知る。 三上さんの揺れた瞳が印象的で、私はきっと、彼のこの顔を忘れることはないだろうと感じながら、頷く。 「……はい。ただ……」 「ただ……?」 「胸がいっぱいです」 「……そう」 この顔も、だ。 安堵混じりの優しい表情も忘れないに違いない。
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