ファーストキスの味-2

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けれど、三上さんに聞けないでいる。 これまではるに異性のことを詮索されてきた私は、毎回面倒ではるの口を塞ぎたいような気持ちだった。 そのため、“あの人とはどういうご関係ですか?”の一言が言い出せない。 三上さんが誠実な人だとはわかっている。 もしかするとはるが加工して作ったものなのかもしれない。 そうだとしたなら、失礼な質問過ぎる。 悶々とする思いも抱えつつ、三上さんにときめく。 こういうことを恋をしている、というのだろう。 「なつき、悪いが今夜は用があるから、夕食は俺の分はいらないよ」 “なつき”と呼ばれるのも慣れてきた。 私は彼のことをなかなか呼べないけれど。   そして、それは彼と退社し、マンションへ戻ってきた時に言われたことだ。 「わかりました。お友だちと会うのですか?」 何気なく聞いたそれに、三上さんが「まぁ」と言葉を濁した。 なんとなく、夏木さんに会うような気がした。
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