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ーー落ち着かない。
三上さんには夜は食事を届ける際に会うだけなのに、今夜はやけに彼を遠く感じる。
22時。
三上さんはまだ帰ってきていないのだろうか。
駐車場までおりて彼の車の有無を確認してしまう私はストーカーのよう。
はるのことを言えないじゃない……。
こんな自分が怖くなり、近くのコンビニまで足を向けた。
すぐ近くだ。
それでも用もなく夜に出歩くことはほとんどしない。
でもそれくらい、落ち着かないということだ。
こうして歩いている間に三上さんに会えるといいのにーー。
そんなことを考えていると、コンビニの入り口ではるに会った。
はるの家はここから離れている。
私を窺いに来たのだと想像してしまう。
気持ち悪い。
「なつき、奇遇だね」
「……うん」
今は一人だ。怖がった方が負けな気がする。
私は素早く店内へ入った。
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