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はるも続くように店内に入ってきた。
さて、どうするべきだろう。
店員もお客さんもいるので、ここにいる限り妙なことにはならないはずだ。
近いがタクシーを呼んでもらい、帰るべきかも。
そんなことを考えていると、はるに「なつき」と肩を叩かれた。
まるで気配を感じなかったので、ビクリとした。
「……な、何」
一歩足を後退させ、はるを睨む。
「もう、私に関わらないでって言ったよ」
「うん。でも今日はたまたまだったから」
嘘ばっかり。
はるのことは信じられない。
「なつき、あの人に女の人とのこと、聞いたの?」
「……」
夏木さんのことだ。
はるの言葉なのにチクリとした。
はるは嬉しそうに言いながらも、心配そうな瞳を向ける。
「いいの?」
「いいって何が……?」
「浮気するような男だよ」
「……三上さんはそんな人じゃないよ」
はるに悪く言われたくない。
「ふーん、やけに自信あるね?写真見たのに」
はるが意地悪く言った。
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