ファーストキスの味-2

15/21

54人が本棚に入れています
本棚に追加
/21ページ
はるも続くように店内に入ってきた。 さて、どうするべきだろう。 店員もお客さんもいるので、ここにいる限り妙なことにはならないはずだ。 近いがタクシーを呼んでもらい、帰るべきかも。 そんなことを考えていると、はるに「なつき」と肩を叩かれた。 まるで気配を感じなかったので、ビクリとした。 「……な、何」 一歩足を後退させ、はるを睨む。 「もう、私に関わらないでって言ったよ」 「うん。でも今日はたまたまだったから」 嘘ばっかり。 はるのことは信じられない。 「なつき、あの人に女の人とのこと、聞いたの?」 「……」 夏木さんのことだ。   はるの言葉なのにチクリとした。 はるは嬉しそうに言いながらも、心配そうな瞳を向ける。 「いいの?」 「いいって何が……?」 「浮気するような男だよ」 「……三上さんはそんな人じゃないよ」 はるに悪く言われたくない。 「ふーん、やけに自信あるね?写真見たのに」 はるが意地悪く言った。
/21ページ

最初のコメントを投稿しよう!

54人が本棚に入れています
本棚に追加