ファーストキスの味-2

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どうすればいいか、少し考えていると、はるがこちらに近づいてくる気配を感じた。 「な、中で待たせてください……!」 はるの方が今の私には危険だ。 勇気を持って前に足を踏み出す。 「こっちから入れます」 店員はカウンターと売り場を仕切る扉を開け、誘った。 怖かった。 けれど、はるに言いたいことを言え、離れられた今の私なら大丈夫だと言い聞かせて、店員に続き店の奥へ進む。 「あれ、どうしたの?」 小さなスタッフルームにいたのは年配の女性で、私を不思議そうに見つめた。 ーー大丈夫だった。 「店長、すみません。タクシー待ちのお客さんなんですが、ここで待たせてもいいですか?」 「……え?なんで?」 「なんか、事情があるっぽいんで」 二人の視線が私に集中する。 けれど私は女性が前にいる安堵感に泣けてきて、説明ができない。
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