ファーストキスの味-2

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「何かあったのか?」 三上さんの声は心配そうだ。 「もしかして、あいつがいたのか?」   「……さっき会って……」 「……何かされたのか?」 三上さんが私の身体を離し、顔を覗き込んだ。 その瞳は心配と怒りが混じっている。 「なつき、大丈夫か?」 こんな時なのに、胸がわずかにときめく。 「……いえ、大丈夫です。ただ会っただけなので……」 首を横に振る。 「はるにはもう近づかないでって言いました。なんか今、ホッとしてしまって……すみません……」 「そう、偉かったな」 「三上さん……」 「怖かっただろう」 彼は私をギュッと抱き締めて、しばらく背をよしよしと撫でた。 まずはむやみに話を聞き出そうとせず、私の中の不安をとかそうとする彼が好きだ。 こんな彼だから、好きになったのだ。 コンビニでのことを話したのは、それからしばらくしてから。 彼の部屋のリビングに来たときには落ち着きを取り戻していた。 そのため三上さんの留守が気になり、スマホも持たず出掛けたことまで伝えてしまうくらい、私の心は安堵感でいっぱいだった。
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