ファーストキスの味-2

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髪が優しい手つきで、すかれる感覚に意識が覚醒した。 まどろみの中、髪に触れられるのがとても気持ちがいい。 指が触れる快感がもっと欲しく、顎を上げてしまう。 すると唇に髪に触れられるのと同じ、さらっとした温もりを二度、感じた。 けれど、すぐにそれは消える。 もっと、感じたかったのに……。 そう思いながらゆっくりと瞳を開ける。 すると、目の前には三上さんの端整な顔があった。 「三上さん……!」 驚く。 「起きたか」 彼は頬を緩め、私から顔を離した。 私は三上さんの部屋のソファで眠っていたようだ。 彼を座って待っていた。 そこまでは覚えている。 ジャケットが膝にかけてある。 きっと彼がかけてくれたのだろう。こういう優しさにキュンと胸が高鳴る。 「すみません私……眠ってしまったのですね……」 「いや、俺が待たせたからだ。悪かったな、もう終わったよ」 時計の針は21時前を指している。 結構寝てしまったよう。
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