ファーストキスの味-2

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「お疲れさまです。 私なんてお仕事中なのに、寝てしまってすみません」 気持ちよく寝ていた自分が恥ずかしい。 「いいよ。寝顔に癒された」 でももっと恥ずかくなった。 三上さんはさらりと喜ばせることを言う。 場数を踏んでいるからだろうか。 それとも天然なタラシなのだろうか。 どちらにしても、赤面してしまう。 よだれのあとが付いていないだろうか、と口の端に軽く触れ確認した。 「もしかして……起きてたか?」 「……え?」 瞳を瞬かせ、彼を見つめた。 三上さんは頬を掻きつつ、視線を逸らす。 まるで何かを隠すような表情だ。 「悪い、あまりにも綺麗な顔して寝てたから、髪や顔に勝手に触れてしまった」 「……え!」 なんてことだろう。 頬を両手で押さえた。 近くで見られたと思うと恥ずかしくてたまらない。 「ごめん」 「い、いえ……いいんですけど、私、変な顔してませんでした……?」 “口は開けてなかった? イビキは?” 普段の顔こそ自信がないのに、寝顔なんてもっとだ。
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