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「お疲れさまです。
私なんてお仕事中なのに、寝てしまってすみません」
気持ちよく寝ていた自分が恥ずかしい。
「いいよ。寝顔に癒された」
でももっと恥ずかくなった。
三上さんはさらりと喜ばせることを言う。
場数を踏んでいるからだろうか。
それとも天然なタラシなのだろうか。
どちらにしても、赤面してしまう。
よだれのあとが付いていないだろうか、と口の端に軽く触れ確認した。
「もしかして……起きてたか?」
「……え?」
瞳を瞬かせ、彼を見つめた。
三上さんは頬を掻きつつ、視線を逸らす。
まるで何かを隠すような表情だ。
「悪い、あまりにも綺麗な顔して寝てたから、髪や顔に勝手に触れてしまった」
「……え!」
なんてことだろう。
頬を両手で押さえた。
近くで見られたと思うと恥ずかしくてたまらない。
「ごめん」
「い、いえ……いいんですけど、私、変な顔してませんでした……?」
“口は開けてなかった?
イビキは?”
普段の顔こそ自信がないのに、寝顔なんてもっとだ。
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