ファーストキスの味-2

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「三上さんは褒め上手ですね。私なんかにここまで気を遣わなくても……」 首を左右にぶんぶんと振り、顔を下に向けた。 これ以上見つめられてはたまらない。 「私なんかって……わかっていないな」 三上さんはため息を一つ吐き、私の横に腰かけた。 距離が近づいたことに胸が高鳴る。 「藤下……いや、なつきは自分のこと綺麗だって知らないのか?」 彼の手が頬を覆う。 温かくて、少しの間瞳を閉じて、その熱を感じつつ頷いた。 まるで私をすごく綺麗だというように扱う彼に、照れてしまう。 「たくさん言われてきただろうに」 「そんな、言われたのなんて……」 ほぼ、はるからだ。 むしろはる以外の男と接点もなかったのだから。 でももうはるの名を口にもしたくなくて、口をつぐむ。 「まぁいい。俺だけが思ってればいいことだな」 「三上さん……」 彼は私の頬をさらりと撫で手を離した。 けれど、私はその手を掴んでしまった。
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