52人が本棚に入れています
本棚に追加
「何が最低なんだ?」
テレビを付けていたけれど、たまたま静かになった時だったので彼まで呟きが届いたみたいだ。
「……あ」
「なんか様子が変だぞ?今日本当は何かあったんじゃないか?」
「い、いえ」
「店員か?何か言われたのか?」
三上さんが別の心配を始めるので焦る。
「違います!私が、三上さんとゆりにヤキモチをやいてて……おかしかっただけで……」
正直に言ったけれど、恥ずかしくて情けなくて声が小さくなる。
「え……?」
「ごめんなさい。二人が仲良さそうに喋っていたのが気になってしまっていたから……」
唇を萎め白状する。
「仲良さそうって……なつきの話をしていたんだぞ」
「私の……話?」
“悪口?”
その心の声が漏れていたのかもしれない。
「お前の誕生日の話だ」と言われた。
「……知ってたんですか?」
「当たり前だ。彼女の誕生日だぞ」
「……彼女」
「え?」
「私、彼女なんですか?」
嬉しくて泣ける。
三上さんといると心が忙しい。
最初のコメントを投稿しよう!