心も身体も満たされて

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「あ、はい……」 すると彼女は私の身体にゆっくりと近付き、「腕を出せる?」と言った。 夏木さんの腕と腕がくっつく。 「兄の店に理巧が何度も通って選んだ子なのよ。きっと理巧は一生分のうさぎを抱いたな」 「由美、いいから……」 「ふふっ、だっておかしかったもの。うさぎに逃げられそうになって私が何度止めたか……」 彼女が笑った瞬間、うさぎが飛び出そうになり、なつきさんが私に抱きつく形になる。 「危ない。座って抱っこしましょうか」 「はい」 今度は私の部屋のベッドの二倍くらいあるソファに座り、抱っこした。 ふわふわの優しい手触りは癖になりそう。 「可愛い……。連れて帰りたい」 ふと出た言葉だった。 「本当か?」 「……え」 「気に入った?」 三上さんが不安そうに瞳を揺らす。 「あぁ……無理はしなくても……。そいつとは別にちゃんとプレゼントも用意してるから」 最近の三上さんを見ていて思うこと。 私のことになると、彼は時々可愛くなる。 仕事中はスマートな人なので、今のたじろぎ方が不自然。
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