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「着替え、タオルのところに置いとくねー」
「あ、はい!ありがとうございます」
素早く洗い流し、シャワールームを出る。
そこまではよかったのだが、彼女の服を見て驚いた。
「なんて短いの……」
彼女の服はキャメル色のフレアスカート。
色こそ安心する色合いだが、丈の短さにたじろぐ。
やはりまだ地味なものを好む私には、勇気のいるものだ。
他のものはないのだろうか。
下着は無事だったので、それを履き「夏木さん……」と彼女を、呼んだ。
ーーしーん。
返答がない。
顔だけを出し部屋を覗くが、誰もいない。
「えぇ……」
嘘でしょう。
困るよ。
たぶん悩んで、五分は経った。
けれど、あまり二人を待たせるわけにはならないから、と勇気を出してスカートを履いたが、太ももの付け根と膝の中間辺りに位置するスカート丈に心は穏やかではない。
黒色のシャギーニットセーターを伸ばして見るもののスカート丈より長く伸びるわけがない。
しかたなく、三上さんのいる洋間に戻ることにした。
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