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「やっぱり、よく似合ってる。それ、あげるわね」「え……いえ、いただくのは……」
「私太っちゃったからもう着られないの。もらってくれるとありがたいわ」
「えぇ……」
「他にも合わなくなったものがたくさんあるの。それももらってもらえるとクローゼットの中が片付いていいわ」
夏木さんはきっとフェミニン系の服を好むに違いない。
彼女が着ている花柄のワンピースは、私の履いているスカートよりも丈が短く、上から羽織っているロングカーディガンは優しいピンク色で可愛らしいけれど、普段私が敬遠しているようなものだ。
「そんな、申し訳ないです」
「全然大丈夫よ」
「いえ、本当に……」
「あまりこういうのは好きじゃない?」
他人のセンスを否定はできない。
それに元々は嫌いじゃなかったデザインのはずだ。
「いえ、そんなわけでは……」
「そうよね、なつきちゃんスタイルいいもの。スリムなのに出るとこ出てて、理想体型。羨ましいわ」
「そんなことは……」
「私より私の服着こなせると思う」
三上さんの前であまり褒めないでーー。
「ねぇ、理巧」
恥ずかしい。
久しぶりに露出している足まで熱い。
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