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「三上さん、今夜は一緒にいてくれませんか?」
そう彼に頼んだのにはわけがある。
「いいよ」
彼が迷いもせず快諾したのも。
それは、帰宅してりーちゃんを私の部屋に連れて来て、ケージとサークルをセットし落ち着いてからだ。
初めてペットを飼うという不安に襲われた私は彼を頼ってしまった。
「よかった、ありがとうございます」
「いや、いいよ。俺も気になるし」
三上さんは私の膝の上に落ち着いているりーちゃんの頭を優しく撫でる。
なんて優しい顔をするのだろう。
見惚れる。
「ん?」
私のうっとりする視線に三上さんが気がつき、微笑みかけた。
その表情があまりにも素敵で、自ら唇を彼に重ねてしまう。
こんなこと、初めて。
自分が自分でないみたい。
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