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なんて、気持ちがいいのだろう。
あまりこれまで好きでなかった深いキス。
早く終わって、とはるの時は願っていたキス。
だから、信じられない。
「大丈夫?」
私を窺う彼の瞳は優しくて、ホッとする。
自然にコクリと頷き「はい。すごく気持ちがいいです」と答えた。
正直すぎたかもしれない。
彼の瞳が揺れた。
「なつき……」
「大丈夫です」
すると彼は私の頬に手を伸ばし触れ、またも唇を覆った。
優しいキスはすぐに深いキスに変わる。
恥ずかしいけれど、幸せで自然に甘い溜息が漏れた。
これまでこんなことはなかったのに……。
もっとしたい。
彼となら、平気だ。
だが次の瞬間、三上さんは「今日はこのくらいでおしまいにしよう」と離れてしまった。
私に気を遣っているのだろう。
「理巧……さん」
私は彼の腕をギュッと掴んだ。
「なつき?」
心臓は破れてしまいそうなほど、大きく音を立てている。
彼に、触れたいのだ。
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