57人が本棚に入れています
本棚に追加
「なつきちゃんってすごいわね」
「え?」
罪悪感で溢れている今の私のどこがすごいというのだろう。
「私、嫉妬してる自分をとても見せられないから。それに嫉妬の対象がいい人なら余計嫉妬しちゃう。心が綺麗なのね」
「そんなことは……」
「それに、美人ななつきちゃんに嫉妬してもらえるなんて光栄だな。
なつきちゃん、彼と私は本当にただの友達だから安心してよ。異性の友達なんてあり得ないと思うかもしれないけど、私たちの中ではあり得てる。ね?」
三上さんが「おぅ、友達でしかない」と言った。
「あ、私も……わかります。昔は男友達もいましたし……。今は一人だけですけど」
はるのせいで宗ちゃんだけになっちゃったけれど、わかる。
「大丈夫です」
笑顔を作ると、夏木さんが三上さんを顎で差した。
「なつきちゃん、大丈夫じゃない人がいるよ。そこに男友達の存在を気にしてそうな人が」
くすっと笑う夏木さんの視線をたどる。
三上さんはばつの悪そうな顔で、「帰るぞ」と言った。
最初のコメントを投稿しよう!