未来へのステップ

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彼は優しく私を抱き寄せた。 その際、彼のカフスボタンがドレスのウエスト部分のレースに軽くひっかかった。 「悪い……」 優しく解いたので幸い破れはしなかったが、高価なものなので焦る。 「痛くなかった?」 「それは全然。破れなくて安心しました。買い取りになったら大変です」 理巧さんがくすっと笑う。 「このドレス、実はオーダー品なんだ」 「……え……?」 「可愛い顔」 彼は私の額にキスを落とす。 「どういうことですか?これ、新しく入荷したって……」 「本当のことをいうと俺が黙ってるように頼んでた。 前のドレス、かなり気に入ってたろ?だから似たものを俺も探していたんだが見つからなくて」 「……」 「オーダーはしなくていいって言ってたけど、結婚式は一度きりだ。なつきに妥協してほしくなかったんだよ」 ドレスをオーダーしようと言われていたが、私のためにお金を使わせるのが申し訳なく、断っていたのだ。 けれど、こんなサプライズ嬉しすぎる。
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